○AGAに遺伝の影響はあるの?

以前から、両親や祖父母に薄毛の症状が見られると、子や孫も薄毛を発症しやすいと言われてきました。それは、あながち間違いではありません。なぜなら最近では、薄毛の原因と考えられる原因遺伝子がいくつか報告されているためです。

2005年にドイツにあるボン大学の研究チームによって、薄毛に関わる遺伝が発見されたことにより、AGAと遺伝子の関係の一部が明らかになりました。

研究成果の内容は、40歳よりも前に薄毛になった男性の家系を調べたところ、X染色体上にある男性ホルモンの受容体遺伝子に特徴がみられることがわかったというものです。研究チームは、この特徴が頭皮のアストロゲンの働きを強め、髪を抜けやすくしているのではないか、と提唱しています。

人間には、男性でも女性でも等しく持っている”常染色体”と、男では”XY”、女性では”XX”という男女それぞれが持つ”性染色体”というものが存在します。これらの遺伝子を父と母から半分ずつ受け継ぐことで、「自分」が存在しているわけです。前述のように、アンドロゲンレセプターの情報はX染色体上に存在します。そう考えると、自分が男性の場合X染色体は100%母方から受け継ぐことになるのです。

またその母も、X染色体を祖父と祖母から50%ずつ受け継いでいます。それによって、母方の祖父に薄毛の遺伝子を持つ人がいると、孫である自分が薄毛になる可能性があるというわけなのです。ちなみに孫が女性だった場合、薄毛が顕在化していなくても薄毛の遺伝子は継承されています。

AGAに影響を与える遺伝子は他にもあると考えられているため一概には断定できませんが、こうした発見から少なからず遺伝の影響はあると考えられます。ただし、薄毛の遺伝子を持つ人は薄毛になりやすいというだけで、必ずしも発症するとは限りません。また適切な治療を受けることで、薄毛の改善を図ることも可能です。